【行事レポート】SSH東海フェスタ2019

7/13(土)に、令和初となるSSH東海フェスタ2019が名城大学天白キャンパスで開催されました。
今回は以下の7点(6班)の研究発表となりました。
・「災害時に用いる蒸気機関発電機の製作」 (物理班)
・「FingerPencil」 (情報班) – ポスターセッション特別賞を受賞
・「指先認識の製作」(情報班)
・「国指定天然記念物 カキツバタ群落の保全」 (生物班)
・「生物多様性調査」 (社会科学班)
・「n次元球の体積」 (数学班)
・「硬水と軟水」 (化学班)

今年度の口頭発表の部は物理班の「災害時に用いる蒸気機関発電機の製作」が発表を行いました。
時間は適切であり、内容も非の打ちどころがなかったと思います。
素晴らしい発表でした。
しかし残念ながら、優秀賞を逃す結果となりました。
パネルセッション部門では、情報班の「FingerPencil」がパネルセッション特別賞を受賞しました。
他の発表にも多くの人が集まっており、日頃の研究の成果を広める良い機会になったと思います。

各班の研究の内容

物理班

物理班は、「災害時に用いる蒸気機関発電機の製作」の研究発表を行いました。

・研究内容

私たち物理班は災害時に用いる蒸気機関の製作のために二つの実験を行った。実験①ではモルタルとバーミキュライトの比率を変えた試料を複数用意し比較した。冷やした資料を常温水にいれ試料の温度変化から比率を求めた。レーザーフラッシュ法の手法を参考に熱伝導率を求めた。実験②では変換効率が最も良い煙管の形状を見つけることを目的とした。実験①はロケットストーブの煙突を囲うのに適した断熱材の選定を目的とし、実験②は変換効率が最も良い煙管の形状を見つけることを目的とした。実験①からモルタルの割合が低いほど比熱と熱伝導率の割合が小さくなることが分かった。そこから断熱性能はモルタルの割合が低いほど良いといえる。実験②では煙管を曲げると煙管内の空気の流れが悪くなり熱源の不完全燃焼が起こるため変換効率は煙管と水の接触面積のみでは測れなかった。これからは「煙管と水の接触面積」と「煙管内の空気の流れ」の双方のバランスの取れた形状の煙管を再度検討し製作していきたい。

情報班

情報班は、「FingerPencil」と「指先認識の製作」の二つの研究発表を行いました。

・研究内容

「FingerPencil」

パネルセッション特別賞を受賞しました

我々はキーボードを使用しない、単眼カメラのみを用いた文字入力を可能にするソフトウェアの開発を目指している
撮影した映像から指先を認識し、その指先の軌跡から文字を認識し、PC上に入力をするという手順で処理を行う
現在、接地判定(始筆認識)を製作中である
また、Gboard物理手書きバージョンより、着想を得ている

ソースコード: GitHub
FingerPencil_SSH東海フェスタ2019_ポスター0
FingerPencil_SSH東海フェスタ2019_ポスター1
「指先認識の製作」
FingerPencilという研究の中で、指先を認識する必要があるので製作を開始した。
研究の目標は、指先の認識を行うことと指先の接地判定の際に一定の長さが必要なので一定の長さとなるような2点を得ることである。
現状では、指先の認識には成功したが一定の長さが得られていないため、今後は今後は理論を見直して一定の長さの取得をしていきたい。
また、指先の点がどれほど正確に取得できるかを複数の画像で検証していきたい。

生物班

生物班は、「国指定天然記念物 カキツバタ群落の保全」の発表を行いました。

・研究内容

私たち生物班は、小堤西池カキツバタ群落の保全を目的に研究をしている。
研究を進めるにあたって小堤西池を開花時期の違いによって6区画に分けた。また、種子による有性生殖で増える個体を単木個体、地下茎による無性生殖で増える個体を株立ち個体と名付けた。
教育大学の協力により、ドローンで小堤西池上空からカキツバタの画像を撮影し、解析することで区画ごとのカキツバタの総個体数・総開花数・単木個体数・株立ち個体数・総個体数に占める株立ち個体の割合(株割合)を調べた。株割合は小堤西池北東部で低く、南西部で高くなった。株立ち個体は遺遺伝的多様度を低くすると考えられるため、南西部の遺伝的多様度が低くなると仮説を立てた。
また、水深の違いが株割合の違いに関わっていると考え、小堤西池沿岸部の水深を計測し、区画4を除いて似た高さの水深となった。このことから、株個体の違いは水深以外の影響も考えられる。今回は、小堤西池沿岸部の水深しか計測していないため、今後の調査で中央部の水深も測っていきたい。

 

数学班

数学班は、「n次元球の体積」の発表を行いました。

・研究内容

私たち数学班は、3次元の世界に生きている我々には認識することが難しい4次元空間に興味を持ち、身近な図形である球に焦点を絞って研究を行った。積分による円の面積の求め方を参考にしながら、高次元空間における級の体積と表面積の関係を調べた。研究の結果n次元球の表面積と体積の間に成り立つ漸化式を見つけ出し、さらに偶数次元と奇数次元で場合分けをして、それぞれの一般項を求めることができた。半径が1のn次元球の体積は、nが5以下であるときには増加するが、5次元球の時に最大値を取ると、その後は値が小さくなっていき、n→∞の極限で0に収束することが分かった。

 

化学班

化学班は、「硬水と軟水」 の発表を行いました。

・研究内容

私たちは今回、硬水と軟水について研究を行った。硬水と軟水の間には大きな性質の違いが存在する。それにもかかわらず国によって硬水と軟水の区別の基準が違い、国際的に統一されていない。そこで、硬水と軟水の性質の違いを利用して硬水と軟水の境目の特定を目指した。実験①において市販の硬度146 (㎎/L)の硬水と硬度55 (㎎/L)の軟水を用意し、Na₂CO₃を加えて沈殿の有無を確認したところ硬水と軟水の間で明確な違いがみられ、この方法であれば硬水と軟水を区別することができるのではないかと考えた。実験②では硬度60, 80, 100, 120 (㎎/L)のCaSO₄水溶液を作り、調整した水溶液にNa₂CO₃を加えて沈殿の有無を確認したところ硬度60以外すべてで反応が生じた。よって、硬度60と硬度80の間に硬水と軟水の境目があると考えた。また、今回の実験では、Ca塩のみでしか実験が行えなかったのでこれからはMg塩のみ、Ca塩とMg塩の混合水溶液などでも実験を行っていきたいと思う。

 


これからは、全国大会、体験入学、文化祭などのイベントへ向けて邁進していきます。

またFingerPencilをスタートさせた先輩はこれで引退となります。お疲れ様でした。

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