英国研修体験記(2人目)

「世界を見据えた9か月間」

刈谷高校物理部 「ムペンバ現象の研究」 発表翻訳 Y.H

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思えば6月のオリエンテーション以来、実に9カ月が過ぎました。長い人生の中ではとるに足らない程わずかな期間であったかもしれませんが、それでも僕にとっては今後の生き方に大きな影響を与えるのに十分でした。

事前の国内研修では様々な研究者の方々の講演を聞いて、科学的見地を広めること、英語の理解力・表現力を養うことともに、研究者としての考えや倫理観を学ぶことができたと思います。自分の故国を離れて遠い日本で研究生活を送ることに不安を覚えないことはなかったと思われるのに、どなたも「日本で研究することが夢だった」といった内容を(もしかしたら研究そのもののプレゼンよりも)僕たちに一生懸命に伝えてくださいました。それは僕たちにとって「世界」に対するファースト・コンタクトだったと思います。

また講演を聞くだけでなく、自分たちのプレゼンの向上にも努めることができました。初めはなかなか日本語版すらつたない部分が残っていたように感じましたが、先生方や他校の仲間たちからのアドバイスを受け、プレゼン技能そのものの向上だけでなく、自分たちの研究に対する別の視点からアプローチなどでますます理解と関心が深まりました。

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英語でのプレゼンは一度学校のSSH事業で経験していたとはいえ、当初は手探り状態でした。しかしSSグローバルでの発表前に校内の発表会で英語の先生に添削していただいたおかげで、その後は他校と比べれば有利に動くことができたのではないかと思います。

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さて、いよいよ英国でもステージ発表ができることになり、練習を開始して、改めて不安を感じるようになりました。現地に到着してからも折に触れて「自分たちの英語が通じなかったら」「質問に対応できなかったら」と不安を感じました。しかし、自分たち同士でまたポスターセッションをする仲間たちからも激励の言葉をもらい、なんとか本番をやり遂げることができました。35人の仲間たちに心からありがとうと言いたいです。

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無論、英国では発表以外にも学ぶことがたくさんありました。先ほど海外で研究することについて触れましたが、ケンブリッジで訪問したキャベンディッシュ研究所では偶然にも同窓生と出会うことができ、世界が広いようで狭いことと、海外での研究生活をより身近に感じることができました(その先輩が僕と同じ文系であったことも大きかったように感じます)。日本人、イギリス人、ドイツ人を問わず、海外での様々な人々との出会いは、僕が将来の選択として「海外」を現実的に考えることに大きく貢献があったと思います。

また英国で意識していたのは林校長先生がおっしゃっていた「本物を見る」ということでした。日本の博物館・美術館とは比べ物にならないほどの「本物」に触れ、現代の科学技術やその時代ごとの文化の形成者が何を思って生きていたのか、その片鱗を垣間見ることにつながったのは間違いありません。

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このような素晴らしい経験ができたのは、刈谷高校の先生方や時習館高校の先生方、苦楽をともにした35名の仲間たち、研修への参加を支えてくれた家族や周り友達がいたからに他なりません。本当にありがとうございました。

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